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じゃあそう言うことでって雰囲気で退席していく方々。
なんとなく龍の勘違いみたいに受け止められてしまったようだけど、
付き合っていたので、まったくの勘違いではない。
これではあんまりだと、心が痛む
「あのっ」
「ああそうだ」
振り返った時社長は優しいでも諭すように、私に問う。
「先走ってしまうほど川崎くんは串枝さんのことが好きなのだろうね。
それ程想ってくれる相手を失ってしまうことに、君は未練はないのかな?
ある人が言っていたんだが、
この世の中は大切な人に会うように作られているらしい。
彼だってきっと串枝さんにとって用意された大切な人ではないのかな?」
「大切な人……」
「老婆心で余計なことを言ったな。すまん」
「いえ」
「串枝さん今まで通り頑張ってください。
それじゃ」
「はい、お騒がせしました」
社長の後姿にお辞儀しながら
さっきの言葉をかみしめた。
====彼だってきっと串枝さんにとって用意された大切な人ではないのかな?====
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