第一章

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「おかあちゃまになってあげるから泣かないで。」と、言ってなぐさめた。 子供好きであったが4才しか離れていない第二王子を母のように姉のように面倒をみた私に、 「ありがとう、弟がやっと明るくなったよ。」 と、喜んで言ってくれた。 「あなたは寂しくはないの?」 と、聞いたら、 「もう、大人だ。」 と、言って強がっていた。 私と王と第二王子、3人は王が皇太子に立てられるまで毎日勉強時間がすむと一緒に過ごした。 そして、第二王子は私をちいかあさまと呼んでなついていた。 王が皇太子に立てられた頃、私も王のお后候補としての教育がはじまった。 私は王の2代前の王の第8王子の娘で、父は神官であり私は巫女であった。 そして、私を娶った者が次代の王となることができる言わば私は国の舵取り的な役割を持った巫女であった。 その頃、健康的に不安のもたれてた皇太子を廃嫡しようとする動きがあったのだけど、私がこの人が砂漠の商人でも、遠い海の船乗りになっても、私はこの人の妻になると言ったので皇太子を廃しようという動きはなくなったのであった。 時は流れ、即位した王と私は穏やかな生活を続けていた。 第2王子も立派な大人になり心優しい女性を后に娶ったあと隣国との戦争が起こった。 王が出撃の前の晩私は神官である父の館を訪れた。     
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