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もうこの話が表にでてるのかと私は驚いた、当事者の私はこの事についてはまったく知らなかったから。
その時1通のメールが届いた。
メールはこの前アラビア語のことで世話になった友人の友人である森井からだった。
私が何もしていない間、彼は色々と手を回して調べてくれていた。
王と約束していた私だったが実際エジプトに知り合いがあるわけでもなく、今回エジプト大使館の一等書記官に会う手筈を整えてくれたことは私にとっては驚きであり、事態の重要性を痛感した。
しかし、なんで私がその話題の渦の中にいるのかが今一理解できなかった。
乗り掛かった舟と言うことなのか、ロシアンルーレットだったのか、今はまだ何も知ることができなかった。
メールはまだ続き、マスコミが私に接触するだろうから、旅行支度をして待っていてくれと書いてあった。
メールは真夜中の2時に来た、それから急いで支度をしてお化粧をしているとインターホンがなった。
『はい』
私はしっかりと森井だと確かめてゆっくりドアを開けた。
ドアはこれから待ち受けている運命を思わせるようにひどく重く感じられた、昨日と同じドアであったが。
「お迎えに来ました、エジプトにいきましょう。」
私は森井の言葉を待ち望んでたようにうなずき森井の車に乗った。
さっきまでの不安が嘘のように消えた。
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