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しばらくして、私はどこかカプセルの中以外に自分がいるのを感じた。
そこは古代の宮殿いや神殿のような石の大きな建物の中だった。
建物の奥から一人の人が歩いてきた。
私はその人を知っていた。
なぜ知っていたかはわからなかった。
現代の人ではないその人のことはもっと若い頃の細っこい頃の時から知っていた。
そして、その人の腕の中が暖かく優しくいつまでもいたくなるように安心できる場所であることも私は知っていた
その人は私に近づくと笑顔を見せ言った。
「会いたかったよ、いつか会えると信じてた。全ての物が私たちを引き裂いても、どんなことをしても、たとえ宇宙の果てにでも会いにいくつもりだった。」
「あなた、お会いしたかった。先に死んでしまったことをお許しくださいね。」
私は何を言ってるのだろうか。
私は自分の中から出た言葉におどろいてしまった。
「運命だったんだよ、それも、そしてここで再会できることも。愛してるよ、あのころもそして今も。」
「あなた・・・」
涙がとどめなく流れた。そのとき私は優しく抱きしめられていた。
そのとき私の頭の中は砂漠の国の記憶の中にいた。
それは遠い、遠い時間の果てのことであった。
その記憶は忘れもしないあの時の最後の記憶だった。
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