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「おお!飲んで直ぐ治ってしまった」
先程少女から薬を買った青年は家に帰るなり水でごくりと飲み込む。ずっと続いていた咳も止み、怠く感じていた体の不自由さも無くなり明るい表情を浮かべる。
早速、幾つか買っていた薬を周りの風邪が酷いと寝込んでいる友人や隣近所へと渡し歩いた。
だが、その日の夜…異変は起きた。
「う…おぇっ、ゲホッ!」
急な吐き気と目眩に襲われ倒れ込む。
夕方に飲んだ薬の反動のせいなんだろうかと思いながら洗面器に顔を突っ込む。洗面器の中には赤黒い肉片が混ざり見える。どうも口の中もイガイガし気持ちが悪い。そう思っていると急な込み上げに勢いよく吐き出す。
「がっ、は!ぐっ…」
目の前に飛び散る赤。アカ、あか…。
朱で床が染まっていく。何が起きたのかは青年には分からなかった。
「ちょっと!あんたに貰った薬で旦那が…きゃああ!!!」
ドタドタとけたたましい足音を立てて隣人が家の中に上がってくる。けれど、今の青年の惨状を見てか腰を抜かして座り込む。
それもそのはずだ。鼻血を出しながら口からは血を吐き、床にはぬらりと血で赤黒く光る肉片が飛び散っているのだ。その肉片が体内の臓器なのかは分からない。けれど、生々しい肉の塊はあちこちに散乱している。
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