lesson 1- 4 turn 真吾

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「…片足…靴脱いで…」 そう言った都築くんは、私の前に跪く。 「バランス取れねぇーだろうから、俺の肩に掴まんな…」 つまり、濡れた足を拭いてくれると? ……いやいや……流石にそこまでしてもらうのは、申し訳ない上に……恥ずかしい…… 「…じ…自分で出来るから……」 跪いた都築くんに、下から見上げられる。 いつも見上げてばかりだから、このアングルは新鮮だけど…… 都築くんの目力が……強くて……怖い…… 「…いいから…つべこべ言わずに足出せ…」 怒鳴られてる訳じゃないのに、威圧感があって……逆らえない…… 年下なのに、偉そう…… なのに、やっぱり手付きは優しくて……変な気持ち…… 両足拭いてもらい、都築くんの家に上がる。 今更な気もするけど…… 「…お…お邪魔します…」 「…今更だな…まあ…どーぞ」 思った通りのことを、返された…… 「…そのまままっすぐ行って、突き当たりのドアを開けて、入って……」 都築くんに言われた通り、突き当たりのドアを開け、一歩進むも……そこで止まる。 …ここ……浴…室… 「…早く服脱いで、風呂入んな…」 「…ひゃっ!」 いつの間にか、そこに居た都築くんに、背中を押される。 「…脱いだ物、洗濯機入れといて……バスタオルとタオルはそこに掛かってる…十分温まって来いよ」 連絡事項のように、淡々とそう言った後……脱衣場から出ていく都築くん…… ここから遠ざかって行く足音を聴いて、肌に張り付く、濡れた服を 脱ぎ……お風呂に入る。 髪や身体を洗い、バスタブに浸かる。 温かい……気持ちいい…… 都築くん……全然知らない人みたい…… …会社にいる時と違うのは……素を出してるから…… こういう話し方が、素なのだと……聴いたけど…… でも……昨日よりもっと……違ってて…… ……何が違うって……邪な気持ちが見えない…… 昨日は……力づくで……厭らしいことしようとしてたのに……
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