lesson 1- 4 turn 真吾

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「…っ!…んーーーっ!美味しいっ!すごく美味しいよっ!都築くん!」 ふわふわで、出汁の味も丁度良くて……私じゃこんなふうに作れないっ! 「そう……良かったな…」 真横に座ってた都築くんは、言葉こそ素っ気ないけど、すごく優しい笑顔を、私に向けてくれた。 ……は……反則だからっ! その顔は…… 都築くんから、顔を逸らして黙々と食べる。 でも、新しい料理を口にする度に、歓喜の声が漏れる。 「たくさん、食べな……たくさん食べて呑んで……嫌なことは、忘れればいい……っと…余計な事言ったな…まあ……二日酔いで潰れても、明日休みだし……問題ないだろ…」 ……『嫌なことは、忘れればいい』……何かあったか、聴かないのに……気付いてくれてたの……? 箸を受け皿に置く。 「…どうして……探しに来てくれたの?」 「惚れてる女、心配したら駄目か?」 ……そうじゃ……ないけど…… 「……雨の中…あんな顔して歩いてたら……何があったかくらい、分かる……それに……」 都築くんが、私の首筋に手を伸ばす。 都築くんのひんやりした指先が、触れて…肩がピクっと反応する。 「…ここ……跡付いてる……昨夜夏にも付けられたんだろうけど……あいつなら、見える所にしないだろ?」 ……その指摘に……何とも言えない気持ちになる。 もちろん……顔も赤くなるけど……29年間処女だったのに……24時間経たない内に……ふたりの男の人と……阿婆擦れもいいとこだ…… 何があったか分かってても…… 『惚れてる女、心配したら駄目か?』 そう……言ってくれるんだ…… 「……会社にも来ないし、連絡もないし……心配するだろ……それに……こんな雨の日は……特に……って、何でもない……とにかく、真っ青な顔して、血の気もなくて……見つけた時……心臓抉られる気持ちだった」 『雨の日は特に……』 その続きを濁した都築くん…… 何か嫌なことがあったのかな……そうは思っても……追求する立場ではないから、聞き逃す。
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