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「…夏とは合意の上って聴いたし……でも、だからって……夏に決めたわけじゃないんだろ?」
……確に……合意した……
素の私を好きだと言ってくれた……
夏くんの、真摯な言葉と態度が……嬉しかった……
男の人への嫌悪感を……夏くんには感じなかった……
惹かれてる部分は、確かにあるけれど……それが恋なのかどうか分からない……
一線を超えたのに……夏くんと同じ気持ちを返すことは……まだ……出来ない……
……それなのに……エッチしちゃうのは……軽いのにも程があるよね……
「……まだ……分からない……」
こんなふうにしか、答えられない……
「…まあ……1回や2回の経験で、男知ったうちには入んねぇーよ…俺が言うのも何だけど……好き合った者同士でのセックスは……ただ快楽得るだけのセックスとは違う……悠香さんはまだ……その経験はない……そうだろ?」
……そこにはまだ、辿り着いていない……
「都築くんは……あるの?」
質問を質問で返してしまったけど……
違うと断言出来るなら……ある……のかな……?
でも……来る者拒まずの都築くん……どう考えても、快楽主義者のように見える。
「…俺は……どう…だろうな……?悠香さんは、ないと思ってんだろ?……それなら、それでいいんじゃねぇー…」
……何となく……言葉を濁された気がする……
私が見てた部分が、本当の都築くんの全ての姿とは限らない……
現に会社では、王子様キャラな訳で……実際はそれとは、掛け離れてる。
25年の月日の中に……本気の恋を経験してても……おかしくはない……
「…けど……悠香さんは本気だ……本気で悠香さんの全部が欲しい……」
都築くんが私の頬に手を伸ばす。
真剣な眼差しに……鼓動が跳ね始める。
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