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「…ん……」
目を開けて、視界に映る部屋は……自分の部屋ではなくて……
朦朧とする意識の中で、背中に感じる温かさと、私の頭の下から伸びてる腕が目に入り……バッチリ目が開く。
起きようにも、腰に回った腕がそれを阻止していて……起きれない……
昨日の記憶を、目覚めたばかりの脳をフル稼働して、思い出す。
昨日は……都築くんが探しに来てくれて……都築くんの家にお邪魔して、お風呂頂いて……都築くんの料理に感激して……その前にビールとアタリメとジャージのことが、バレてて……ビール以外のお酒だと酔うと言って……口移しでバーボン飲まされて……その後……キスして……キスの後は……何したんだっけ……?
キスのあとの記憶が、ぶっつり途切れてる……
サアーっと、一気に血の気が引く。
もしかして……私……
思わず、自分の胸元を触る。
…ほっ……ちゃんと服着てる……
安心した瞬間……
「…起きたのか?」
頭の上からそう問われ、ピクッと肩が上がる。
「…う、うん……」
「……つーか、こっち見ろよ…」
そう仰られましても、寝起きですよ……既に昨日の入浴後に、すっぴん見られてますがね……寝起きのはれぼったい顔なんて、お見苦しいだけなんです……
私の頭の下から腕を抜き、腰に回っていた手が、私の身体の横のベットに移動して、上体を起こした都築くんに、顔を覗き込まれる。
「おはよう…」
「…お…おはよう…ございます…そ、そんな至近距離で……まじまじ見ないで…」
両手で、目から下を隠しながら、そう言う。
「…やだね…好きな女の顔見て、何が悪い?……つーか、手邪魔……」
都築くんの右手が、私の両手を顔から離す。
「…キス出来ねぇ…」
そう言ってすぐに、都築くんの唇が落ちてきて……重なるふたつの唇…
両手は一纏めに、都築くんに握られて……ベットについていた手は、私の右肩に回り……抱き込まれる。
「…んっ…んんっ…」
ぴったり重なった身体……絡め取られる舌……
目覚めてすぐのキスは……濃密過ぎる。
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