lesson 1- 4 turn 真吾

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「……やっぱ……似てる……」 小さな声で、何かを呟いた都築くんの言葉は、私の耳には届かなかった。 「…何?…何か言……っ!……」 『何か言った?』そう聴きたかったのに…… 都築くんの目が……私を見つめる都築くんの目が……余りに優しくて……そして……その中に悲しく揺れるものを感じて……言葉が続けられなかった…… どうして……そんな目で私を見るの……? 頬を包む大きい手……親指の腹が、私の唇をなぞる。 「…用がないなら……俺の気分転換に付き合ってくれ……準備して来る……悠香さんは、ここで待ってろ……」 触れるだけのキスを落とし、都築くんは寝室を出て行った。 何も返答出来ぬまま……あっという間に、昨日同様に車に押し込まれる。 パーキングエリアに車を停め、街中を歩く。 少し遅めの朝食を、カフェで済ませ、都築くんが向かう目的地まで…一緒に来たのは……良いのだが…… 「……ここが……都築くんの気分転換に……なるの?」 「…ああ…」 本当に? だってここ……女性用高級ブティックですけがっ! 女の私でも、入るのに尻込みしてしまう程の、敷居の高さなんですけどっ…… 臆することなく、店内に入ってく都築くん……の、後を追うしかない私…… 頭の中は、クエスチョンマークでいっぱいだった。 「いらっしゃいませ…都築様…」 店内のスタッフが、都築くんを見て、会釈よりも……もっと深いお辞儀をする。 「ああ…」 それだけ言って、ずんずん中に進み……商品の服を何着か手に取り、物色し始める。 ……都築様って……言われてたけど……何で? 「…おお、真吾っ!久し振りだな……っと……えっ!?……」 フレンドリーに、都築くんに話し掛けたひとりの男性が、私を見て……固まる。 「…広瀬 悠香さん……会社の先輩だ…」 簡潔に私を紹介する都築くんの、後をついで、 「初めまして…広瀬と申します…」 名乗って会釈する。 「…ああ……っと、俺はこの店の責任者兼、店長の三浦 圭です……初めまして…」 最初こそ、凄く驚いていたが、柔らかい笑顔で挨拶してくれた。 「…決めた…これとこれと…あと靴はこれで……髪のブローとメイクも頼む…」 「…かしこまりました…では、広瀬様…こちらへ、どうぞ…」
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