lesson 1- 4 turn 真吾

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「とても、お綺麗です!…では、都築様の所へ、戻りましょう」 …こんな薄い生地の高価な服も…綺麗にブローされた髪も…私が私ではない様で…どんなに似合うと、綺麗だと言われても…やっぱりそれは、身に付けているものや、髪型やメイクのせいだと…思ってしまう… 「お待たせ致しました、都築様」 「…ああ…」 スタッフの女性にそう返事して、私を見つめる都築くんの表情と…その隣にいた店長の三浦さんの表情が…同じように驚いてる… そりゃあね…馬子にも衣装でしょうよ… 気持ちは分かるけど…男性ふたりに同じ顔される私って…一体何なんだ… 居心地悪くて、思わず俯いてしまう。 「…やっぱりだ……」 都築くんの小さい呟きが、耳に入る。 …やっぱりだって…何のこと? そう思って顔を上げると、さっきまでの表情はなく、とても…優しい顔をした…でも、その中に切なさを宿した目の都築くんが…私を見つめながら、近付こうと一歩脚を踏み出した…が、三浦さんの腕が、都築くんの肩を掴む。 「…分かってるのか…真吾…」 その一言に…いろんな意味が込められているなんて…私には分からなかった。 「…分かってる…ちゃんと分かってる……でもさ…どうしたって求めちまう…仕方ねえだろっ……」 「…そういう時点で、分かってない…お前はいいよ……でも……」 三浦さんが、私に視線を向ける。 ふたりの様子に困惑するしかない私は……黙っている事しか出来ない。 「……とりあえず……今日夜お前ん家に行く……話はその時だ……ごめんね…広瀬さん…変な空気出しちゃって…」 「…いえ……」 都築くんへの、強めの口調とは打って変わって、柔らかい笑顔でそういわれる。 「……悠香さん……行こう…」 都築くんが私の手を握り引く。 「…えっ!?…ちょっとっ…このまま!?……ていうか、私の服は!?」 「ここにあるから、心配するな」 そう言って、紙袋を見せる都築くん。 それよりも…… 「…お金……」 「心配要らないよ…真吾が買ったから…またね…広瀬さん」 「…ぇ、えーーーっ!……と、ご、ごめんなさい…あの、はい……また……」 高級ブティックに、不似合いな叫び声を上げてしまい、店内の人達の注目を浴びてしまう…… ぐいぐい、私を都築くんが引っ張るから、三浦さんにちゃんと挨拶も出来ぬまま、店を後にすることに……
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