lesson3ー4 全てを掛けて

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「まさか…環生が会社に来るなんて思わなかった」 俺も思わなかった。 悠香を送り出し、部屋にひとりになったら、途端に不安になった。俺が切に望み、叶えられずにいた願いが見せた…幻だったんじゃないかって…… でも、チェストに入れた婚姻届や、悠香の荷物を見て、嘘でも幻でもないんだと安心した。 悠香の荷物を整理している時に、夏くんから連絡が来た。 『突然すみません…悠香さんの退職の話が社内に広まってしまって、悠香さん…ずーっと告白ラッシュで身動き取れない状態です…どうしますか?』 …告白ラッシュ? それって、悠香に想いを寄せてる男からの… 『今すぐそっちに行くよっ!』 それから直ぐに佐伯さんに連絡して、タクシー呼んで… 俺の行動、早かったな。 悠香の気持ちが揺らぐなんて、そんな考えにはならなかったけど、何ていうか…多分…独占欲が俺を駆り立てたんだと思う。 悠香は俺のだって、宣言…したくなったんだろうな。 俺の腕の中に、こうやってずっと、閉じ込めておきたい。 悠香の首筋に顔を埋め、そこにキスを落とす。 「…んッ…」 ピクッと跳ねた悠香の肩。 その反応と漏れた声に、朝制御した自身もまた、反応する。 徹夜の忠告通りになりそうだ。 「好きだよ、悠香」 俺に顔を向け、 「私も環生が好き」 常に俺の心にある悠香への想い。 伝えられるだけ、伝えたい。
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