lesson 1

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「それでは、パースト部始動と、新入社員入社を祝して、乾杯!」 グラスを掲げ、挨拶した冬子さんを合図に、宴会が開始される。 2日続けて外で呑んでるな……家帰ってからも呑むけど…… 冬子さんとふたりなら、1杯目は既に呑み終わってるとこだけれど、これだけの会社の人間がいる前で……素は出せない。 ……会社の呑み会なんて、肩こるな…… 呆けていた男性陣は、まんまと騙されたと、最終的には笑い、夏ちゃんを受け入れたけれど…… 前田くんだけは、話し掛けてくる女性の話も耳に届かないほど、ショックが大きかったらしい。 未だに呆けている。 可哀想に…… 目の端で前田くんを盗み見ていた私に、受け皿に料理を盛ってくれた夏ちゃんが、 「どうぞ、悠香さん」 私にその受け皿を渡してくれる。 「ありがとう、夏ちゃん」 「…あ……出来れば、その……『夏ちゃん』は勘弁して下さい」 ……確かに、今の彼に『夏ちゃん』は、合わないか…… 「…じゃあ、夏くん?」 私の呼び掛けに、笑顔を向けてくれる夏ちゃん……もとい、夏くん。 「それで、お願いします」 そんな、嬉しそうに……眩しい笑顔を向けないで…… 「そういえば、悠香…」 冬子さんの呼び掛けに、振り向く。 「明日……まっすぐTAMAKI先生のとこ行って、挨拶して来て……出社はその後で」 そうだった…… 夏くんのことで、すっかり頭から抜けていたけど…… 官脳小説家の担当になったんだった…… 明日が初顔合わせ…… 「…何時くらいに、お伺いすればいいですか?」 「10時位でいいんじゃない?」 アバウトですね……冬子さん…… 「…何か手土産必要ですか?」 「必要ないわ……(悠香自身が手土産みたいなもんだし……)」 「そうですか……」 ……ああ…いかにも、エロ親父みたいな男とかだったら、どうしようっ!
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