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生まれ変わっても、俺と出逢い、俺に恋をして、恋人になって、結婚したいなんて……
そんなふうに悠香が思っていてくれたことに、何とも言い難い喜びを感じる。
もしも……また生を受けることが出来たなら、その時はもっと悠香と共にいる時間を与えられたら嬉しい。
先の世のこと等、誰にも分からないし、俺も悠香も同じ人格とは限らない……それでも願うだけなら許されるかな。
「性別入れ替わってたりして?」
俺の返しに悠香が目を丸くし、数秒後には笑顔になる。
「それでも構わない…もしそうだったら、その時は環生に私の子を産んでもらうから」
更にそう返して来た悠香に、今度は俺が驚いて、そして笑う。
「そう来たか…いいよ!その時はそうしよう…でも、必ずしも人間に生まれ変わるとは限らないよ?」
「意地悪ね…何に生まれ変わってもいいの!そう決めたんだから!願いが届くかは分からないけど、私は今の私を全うしたい。環生を想う今の私の全てで環生を愛したいの…愛する人の子供が欲しい…そう願ってしまう…駄目かな?」
俺の元へ、自分の想いを伝えに来てくれた悠香に、何度……凝り固まった俺の心を、悠香の想いが溶かしてくれただろう。
溶かして温めてくれた。
「一番は環生の免疫力を高めることが大事…子供のことは、常に考えなくてもいいの…プレッシャーとか感じて欲しくないから…ただ…その…する時に…付けないでくれたら…いい、かなって…」
段々小さくなっていく悠香の声と、同時に顔が赤くなり、俯く、姿が可愛い。
セックスの時に避妊しないで欲しいと、言いたいんだろう。
俺が悠香に託し、残せるもののひとつが子供で、それを悠香が望むのなら……
「頑張りますか、子作り!」
俺の言葉に、勢いよく顔を上げる悠香。
「い…いいの?」
「うん、愛する女に自分の子供が欲しいって言われて、男冥利に尽きるし、本当はめちゃくちゃ嬉しかったよ」
そこで初めて自分の気持ちを素直に打ち明ける。
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