lesson3ー4 全てを掛けて

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「俺が望むのはひとつだけ。どんな時も、悠香が幸せであって欲しい…俺の子供が悠香の生きる意味になるなら、そう…悠香が思ってくれるなら…反対なんて出来ないよ…それに、結婚したらやっぱり、子供が欲しいと俺も思う。悠香の為に、考えを曲げてる訳じゃない。俺が躊躇してしまう理由は、どうしても病気のことがあるから…」 宮本先生は、普通のことを望んでいいと言ってくれた。 病気を理由に諦めなくていいと…… だからもう…… 迷うのはやめよう。 強い心で居ないと、立ち向かえない。 悠香を大切に思い、悠香の幸せを誰よりも願う人を…… 俺は悲しませるのだから。 悠香との心の絆と、お互いの愛情を糧にして、向かい合うんだ。 理解して認めてもらわなければ、悠香と結婚出来ない。 悠香にも…辛い思い、させてしまうな。 左手で悠香の右手を握り、指を絡め合う。 右手で悠香の頬を包み、悠香を見つめる。 「病気を理由にするのは、もう止めるよ。俺は、もう何も諦めない」 悠香を…諦めない。 どんなに反対されたとしても…… 俺が病気でなければ、すんなり進んだかもしれない。 簡単じゃないことは、結婚を決意した時から分かってる。 ここをクリアしなきゃ、きちんとした手順を踏まなきゃ……きっと…俺は後悔するから。 後悔や未練を一切持たずして、逝くことはないかもしれないけど、悠香の大切な人との絆を切ってしまうことだけは、絶対にしたくないんだ。 俺が悠香を手に入れる為に、悠香と共にある為に、今が正念場だろう。 「環生がそう言ってくれて、凄く嬉しい!」 悠香の笑顔が俺に向けられる度に、何度も喜びを感じる。 この笑顔がずっと、俺の欲しかったもの。 ずっと…ずっと望んでた。 だから…俺の手で守るんだ。
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