lesson3ー4 全てを掛けて

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『いやぁ~…俺も来年にはおじいちゃんかぁ!』 その一言で、何を勘違いしたか理解する。 『ち、違うからっ!まだ…まだそうじゃないからっ!』 『えー…違うのかい?残念だな…それじゃあ、どうして急ぐんだい?』 分かり易い程の、落胆が見えるようだ。 『その理由も…会って話したいの…明日、時間とってくれる?』 『分かったよ…明日は少し遅くなるから、そうだな…20時位においで』 私の気持ちを優先してくれた父。 何かがあると、きっと思ったに違いないが、了承してくれた。 『ありがとう!じゃ、明日ね…おやすみなさい』 『ああ、明日を楽しみにしてるよ、お休み』 父との電話を切る。 『ふーーー』 深く息を吐き出し、緊張を解く。 楽しみか…… 私を、男の手一つで育ててくれたお父さん。 手放しで…賛成しては、くれないよね? それでも私… 環生と結婚したい。 お母さんと離婚して、もう20年以上の年月が過ぎた。 それでも今も尚、お父さんはお母さんを想ってるのを、私は知ってるから…… ただひとりの人だけを、想い続ける心を…お父さんなら理解してくれると、信じたい。
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