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大きな港の駐車場。
私はトラックのドアを開け、降りたった。運転席に駆け寄る。
「ありがとう、おじさん」
「警察や、警備員には気をつけろよ。ロボットが多いぶん、取り締まりもきびしい」
「私、この町で稼ぐわ。洋服のお代、払うから」
おじさんは、にへっと笑い、
「いらんよ。経費で落ちる」
と言った。
クラクションをファ……ンと鳴らし、トラックは行ってしまった。
まだまだ東へ行くおじさんとは、ここでお別れ。道中、お気をつけて。またどこかで。
強い風が吹きつけ、私の服を揺らした。
ギターを抱えなおし、息をいっぱいに吸い込み、吐く。
「港町」
続々とやってくる大型トラック。きびきびと働くロボットたち。目と鼻の先に、高い赤いタワーがある。まずはそこへ行こう。
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