トラベルシンガー・ドリュー

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 赤いタワーのふもとに、観光案内所があった。受付でロボットがほほえんでいる。 「町の中心へ行くには、どうしたらいいかしら」 「バスがでていますので、ご利用ください」  バス。私ひとりでも、乗れるかしら。  示された待合でバスを待つ。外国人の姿が目立つ。港にクルーズ船が停泊していたから、その客だろう。私に好奇の視線が注がれる。勝手にカメラを向ける者までいる。  我が国の技術力の高さを見よ。とばかりに、私は赤いタワーを見上げた。  屋根のないバスがやってくる。開放感あふれる2階に陣取り、町の中心へ向かった。  広い歩道にはちりひとつなかった。道行く人やロボットも、どことなく洗練されている。軍手をしたロボットが、花壇の手入れをしていた。  おじさんの言葉が正しいなら、あまりウロウロしていられないのかもしれない。暗くなるまでに、歌える場所をみつけておこう。  群衆をかくれみのにし、町の構造を把握することにした。
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