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その後、コーヒーを飲みながら、もう一度写真を見て、言札を読み上げた。 「ありがとう、ちはるちゃん。だいぶ助かったよ。全部わかっちまうんだから、本当大したもんだ。」 そう言って昭一さんは封筒を差し出した。報酬だ。 「裏付け取らなくていいの?」 「いいよ。これまで外れたためしがない。」 そう言ってコーヒーに口を付けた。 「…日曜日、家族で出かけるの?」 また、彼の言札を見てしまった。 「ん、あぁ。4歳になった息子がな、何とかショーを見たいって。××デパートの屋上でやるんだよ。戦隊ヒーローもの。」 思わず笑ってしまった。 「昭一さんが?ヒーロー見に行くわけ?楽しそうだね。」 「行きたくないけどよぉ。たまには息子と遊んでやらねぇと。最近寝顔しか見てないしな。…おい。笑いすぎだろ。」 「……羨ましいよ。家族でお出かけ。」 そう言うと昭一さんは一瞬真顔になった後、 「そうか。ちはるちゃんもヒーロー見たかったのか。しょうがない、今度連れてってやるよ。」 と、からかった。 「じゃあ、また次もよろしく。ありがとな。」 そう言って、笑ってる私の頭に触れ、出ていった。 もう少し、ゆっくりして行けばいいのに。 あの大きな手が好き。 …私のものには、ならないけど。
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