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そして、薄れる意識の中で、私は彼の声を聞いた。 「……ちはるちゃん…………俺の事を?」 声が遠くに聞こえる。 お母さん、言札は遺伝じゃなかったんだね。 大好きな人に託すものなのかも。 「ちはるちゃん、…大丈夫だから…な…」 もうその顔は見えなかったが、愛しい手の中で彼の泣き声を聞きながら、私は眠った。 ーーー言札が、私の声を届けてくれたのだ。
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