黄昏時を待たずに

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 掌に凍みる冷たさすら心地いい。 「……ふー……」  濡れた瓶の口金を抜き、開け放った裏口からの景色を眺めて一息ついた。  青く澄んだ海が陽光にきらきらと輝いて眩しい。  吹き出してくる額の汗を拭い、氷バケツで冷やしていたバドワイザーを火照った体に流し込む。  暑いな、この家は。
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