歪んだ彼女の目覚め

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何か夢を見た気がする。とても恐ろしくて、だけどとても楽しい夢。 夢の内容が思い出せなくてしばらく唸っていたが、はたと自分がどこにいるのか分からないことに気付く。視界が真っ暗だ。それに、妙に気だるい。 上半身を持ち上げると、ギシッと音がなる。どうやら、ベットのスプリングがきしんだ音のようだが、なぜそんなところで寝ているのだろう。 状況が分からず少し不安に思っていると、右側のほうでガチャリと何かが開く音がした。 咄嗟にそちらに顔を向ける。どうせ目が見えないんだから顔を向けても仕方ない、ということに気付く前に、私は拘束された。 ...いや、違う抱きしめられているのだ。誰かの体温を感じる。危害を加えられる可能性を考え、身動ぎすると意外とあっさり開放された。 「あ、すみません。嬉しくてつい・・・。目が覚めたんですね。安心しました」 少し上の方から、申し訳なさと安心が混ざったような声が聞こえる。位置からして、おそらく先ほど私を抱きしめた人物だろう。 低い声音から、相手が男性であることを知る。聞いたことのある声だと感じるのは気のせいだろうか?
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