歪んだ彼への疑惑

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「私、夢を見たの。何かの手がかりになるかもしれないし、守に言わなきゃと思って。 いつの記憶かは分からないけれど、家族が血まみれで倒れているのと...、えっと、うん。家族が倒れている夢を見たんだ。誰がやったかはわからないけれど...。そのとき、他に人はいなかったし」 そう言い終わり、はたと自分が無意識にあの男の人について秘密にしてしまったことに気付く。 あの人こそ犯人かもしれないし、言ったほうがいい、むしろ一番に言わなければいけない重要なことなのに、なぜか秘密にしてしまった。やっぱり、昨日少しでも守と重ねてしまったことが後ろめたいのだろうか。 私は誤魔化すようにして、 「あ、あと家族と一緒にいる夢も見たの。みんな私のこと大切にしてくれてたんだね。すごく幸せな夢だったよ。ちょっと変な終わり方しちゃったけど、もう少し見たかったな」 と、冗談めかしに言うと急にダンッと大きな音が聞こえて、肩がビクリとはねる。
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