2人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫ですか?」
もうじき日も沈みそうな時間なのに一人でいるその少女に、ガラにもなく僕は話しかけてしまった。
「...?」
ぼんやりとした表情で少女はこちらを振り返った。
体調が悪かったり、何か辛いことがあって泣いているのかと少し心配だったが、そう言うわけではなさそうなので安心する。
「誰...ですか」
警戒されているのか、小さく距離をとられる。
小学校高学年くらいだろうか。とても綺麗な子だと思う。ただ、なんとなく違和感を感じる子だった。
「小学生がこんな時間まで一人でいたら、心配されますよ?」
すると、少女は急にふいっと顔を背け、小さく、
「小学生じゃない...私15歳...」
と、少し拗ねたような口調で呟いた。
15歳...。とてもじゃないが、そうは見えなかった。あまり背が大きくないとかそう言う話ではなく、小さすぎる。あまり栄養が取れていないのだろうか。
「すみません...」
と謝ると、その少女は微かにだが笑った。
最初のコメントを投稿しよう!