歪んだ少女の確信

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自分はボンヤリした子だった。 周りからよく馬鹿にされ、奇異の目で見られたこともある。 母は、父は、兄は、そんな私に構ってくれた。無視されることなんて当たり前だった生活の中で、 家族だけは私のことを見てくれた。感情をぶつけてくれた。 嬉しい、楽しい、寂しい、ありがとう、痛い、どうして、愛してる、いなくなれ、ずっと一緒にいたい、消えて無くなりたい、消えて無くなれ。 大好きな家族は、私に感情をぶつけてくれた。私は何も応えなかった。ただ耐えた。 ずっと一緒にいたいかった。家に帰るのがとても嫌だった。話しかけて欲しかった。家族の言葉を聞きたくなかった。家族のそばにいるときだけ自分を感じられた。家族のそばにいると息が出来なかった。
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