歪んだ彼らは

2/3
前へ
/66ページ
次へ
守はぽつぽつとあのときのことを話してくれた。 あれから守は気絶した私のことをここに運んできてくれて、一週間私は眠っていたそうだ。 私が眠っている間、近所の人から様子がおかしいと通報があって私の家は 警察によって調べられたらしい。 凶器は無く、ただ三人の死体が転がっており他殺と言うこと以外分からず事件は迷宮入り。 私はそもそもいらない子として戸籍なんかも無かったから存在が知られておらず話題にすら 出なかった。 だからこうやって平穏に暮らせていると。 「以前も言いましたが僕は医大卒なので診させてもらいましたが、ユリさんの体に 目以外のところで問題はありませんでした。事情が事情なだけに病院に連れて 行くわけにもいかず...。すみません」 謝ることなんて無いのに、と思う。 以前の生活ならば死ぬような状態であったとしても病院どころか手当てをしてもらう ことすらなかったのだから。 しかも今回に関しては完全に自業自得だ。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加