筆名を考えた

2/10
前へ
/36ページ
次へ
初崎大和が終わった日。 高校二年の冬だった。 受験に向けて机に向かっていた。 詞を書いていた。 頼まれたものだ。 詩を書いている間は、空想の恋人に向けて書くことができた。 でもこれは、軽音楽部の沢井に、訳詞を頼まれたもので。 しかも、元ネタがわからないくらいに変えてくれと。 曲もアレンジするから、と。 それは要するにパクリなんではないかと思った。 元の訳詞は、堅苦しくて。 それでも、切ないというか切迫感があった。 あ、これ七五調なんだ。 ストンと腑におちた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加