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「おい、ヤマト。こんな調子でアンケートに答えると、用紙が足りないぞ」
ツッコミの声に
ボソボソと「だよねえ」と答えた。
『あなたと短歌の出会いは』
という問いに、2日かかってる。
初崎大和(ういざき やまと)
が短歌を始めたのがいつからなのか本人にもわからないのだ。
投稿を始めたのは十七歳だった。
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校庭のスプリンクラーは見張ってる不埒な思いが爆ぜらぬように
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こんな感じの歌も作っていたんだ。
昔は。
「あああ恥ずかしい。不埒とか恥ずかしい。もう僕が爆発すれば良かったんだ。いや湿気ってた。僕なんかが爆発なんてできるはずないんだ……」
三角座りでブツブツ呟く。
これ、部屋の主。
一方、勝手に冷蔵庫開けてビール飲んでるのが友人の石原 匠(いしはら たくみ)
「お前ホントに暗い気持ち悪い歌ばっかりだもんなあ」
「どうせ、女性誌にイケメン歌人って載った石原くんには僕なんかゴミ以下でしょうね……!」
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