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とっさに引き寄せたカップ麺の容器に俺は顔を近づけ、こみあげる嘔気に任せ、胃の内容物をぶちまけた。
すさまじい臭気が部屋を包み、俺の鼻を襲う。耐えきれず、すぐさま第二射をぶちまける。
容器の中は、目も当てられない状態だった。中途半端に消化された昼飯の弁当と胃液が混ざった物体がこんもり積もり、山になっている。が、俺は食い入るように見つめていた。その嘔吐物からぬるりと腕が飛びだし、なにかが這いあがってきたのだから。
やがて姿を現したのは、一人の美少女だった。
「ハッピーバースデートゥユー♪」
鈴を転がすような第一声に、俺は一瞬、相手がゲロまみれの美少女ということを忘れかけた。
わけがわからない事象に俺は目を皿にし、ゲロまみれの裸体をただ凝視していた。ぬめっとしたゲロがてらてらと光り、俺は不覚にもキレイだなんて感じてしまった。ただのゲロなのに、である。
「ハッピーバースデートゥユー♪」
「もしかして、祝福、してくれているのか?」
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