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ガルボーイ
マールブルグウィルスはまだ発生していないが、黒岩ハムが操業停止してしまったら新たな基地の確保が必要とされる。
平原から休むように命令されてしまった。
平原、高橋の監視が出来なくなってしまう。
沖田に伝えるべきだろうか?
伝えたら平原から何をされるか分かったもんじゃない。
資料室で前科者ファイルを見ながら遥香は悩んでいた。
沖田がポンッと肩に手を置いた。
「三好がC型肝炎になったのを知ってるか?」
三好はロシアに潜入してるハムだ。
欧米風に顔を整形しガルボーイってコードネームを用いている。探偵少年って意味ではなく、ロシア語で水色を意味する。
「シャブでもやってたんですか?」
C型肝炎になる原因としてはシャブの回し打ち、寄生虫駆除薬などだ。さらに、1989年以前に行われた輸血からでも罹患する。
「詳しいことは分からないが、インターフェロン治療が行われるらしいが…………」
日本人はインターフェロンに効きにくい1b型ってタイプで、発熱やうつ、脱毛などの副作用が起きやすい。
遥香の顔がみるみる内に紅く変わった。
口からブクブクと泡を噴き出した。
「おっ、おい!弘瀬!?」
遥香が突然、沖田の胸ぐらを掴んだ。
さらに遥香の顔が熱に熔けた蝋みたくドロドロになり、ガルボーイの顔に豹変する。
「殺してやる!」
ガルボーイが弘瀬涼香に変装していた?
何のために!?
ロシアにいるガルボーイは誰なんだ!?
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