折れない心

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折れない心

天月悠はこの世界の人間ではない。 暖かな日差しが差し込む廊下を1人で歩きながら、私が異世界から連れてきた男、天月悠のことを考えていた。 私が受けた勅命は、“最強の人間を連れてくる”ということだった。 そして異世界に転移した私が見た、『魔力空間投影機』、向こうの世界では『テレビ』とか言う物で『ブレードバトル』の存在を知り、彼の右に出る者はいない最強の剣士と謳われていた『天月悠』を知ることになった。 早速、ブレードバトルの大会に参加した私は、すぐに、この〝剣の闘い〟というものが、この世界では遊びや娯楽に成り下がっていると感じた。 何故ならこの世界は、遥か昔に国と国が手を取り合い共存していくという道を選び、戦争のない平和な世界が実現していたからだ。 そんな平和な世界に、剣を取り、お互いを殴り合うブレードバトルは野蛮な遊び、ただの娯楽に過ぎないのも頷ける。 私の世界とは全くかけ離れた時代の歩みをしている世界。     
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