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兄上が欲しているのは、わたしだけだと、ちゃんと知っているのだ。
壊れてしまっても、兄上が他の者に好きにさせたのは、身体だけだ。
「ずっと?」
「はい」
「ずーっと?」
「しばらくしたら、王城へ戻ることになるでしょうけれど……それでも、わたしはずっと唯織の傍におります」
「どうして?」
「兄上が教えてくださったのですよ。四の兄上は、治世には向いておられませんから。じきに仕掛がきいて、わたしが戻ることになりましょう」
しばらく間、四の兄上と姉上で好きになさるがいい。
手の者を置いてきたし、四の兄上の名できつい税収をしいて戦の一つもしてくださるとありがたい。
その御代がガタガタになったなら、わたしが戻って差し上げましょう。
それが本当のお別れの時です。
「冴弦の望んだとおり?」
「唯織が教えてくださったとおりです」
くすくすと笑いながら、愛しい人は自分の服を脱ぎ棄ててわたしの服を剥ぐ。
待ちきれないと腰を揺らし、かわいくおねだりをして見せる。
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