突然現れた

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「目覚めるのです」  また出た。さっき冷蔵庫に入れたはずなのに……  どうやら夢ではなさそうだ。夢と現実の違いくらい分かる。 「……仕方がない、起きますよ。それで、功績がどうとか言ってましたね」 「はい。よっぴいさんは、数々の神聖な祭りで功績をあげられました」 「何かくれるのですか? それとも願いを叶えてくれるとか?」 「あなたの心を覗かせて頂きますね……イベント……賞金……イベントで賞金?」  心臓が跳ね上がる。このタコ、私の深層意識を読み取った。確かに私は、妄想コンテストなどのイベント小説作品を書いている…… 「三万円? それがキーワードですね……分かりました。今暫くお待ちを……」  タコはタコ型タブレットを取り出し、何かを調べている。 「これですね。優勝すると三万円を手にする事が出来るイベント【フンドシで漢祭り】。フンドシ一丁で一週間、数々の過酷な試練を乗り越え、もっとも輝いた者に与えられる名誉と賞金三万円ですか……分かりました。男を漢に変える、最強のフンドシを授けましょう」  ……  …… 「どういうこと!? なんですか、最強のフンドシって!? なんで心が読めるのに、大事な部分だけはタブレットで調べるのですか! そもそも、そんな過酷な試練を一週間やるくらいなら普通に働きますよ!」 「不満ですか? 授ける予定のフンドシは、前回優勝者が着けていたプレミア物ですよ?」 「使用済み!? 余計にいらないよ!」  タコはショボンとしてしまった。
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