紫苑の彼方に、星は消ゆ

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増え過ぎたウィルスは、あらゆる場所へ転移する。 ウィルスが欲する環境のために、あなたの血肉が必要であり邪魔でもあった。 己の働きを助けるために、得た知恵で創り出されるもの・・・・・・ それらの多くはあなたにとって害となり毒となり、死への道筋を予期させた。 『僕にはどうすることもできない。もちろん君にも。宿主である僕を失っては、彼らも生きられないと気がつくことを祈ろう』 苦しそうに顔を歪め、あなたはただひたすらに見守った。 残酷に流れ続ける時の中。 祈りも虚しく、ウィルスは繁栄し栄華を極めていた。 彼らはあなたの異変に気づいていながら、侵食を止めることはしない。 危機がその身に迫っていると知り、僅かに抵抗を見せもしたがもう遅かった。 確実にあなたの寿命が縮まっている。 そう遠くない未来、自分たちは宿主を失い絶滅する・・・・・・ そう考えたウィルスは、さらに知能を発達させた。
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