清潔な星

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「臭いがまったくしないんです。それに清潔そのものです。用を足すごとに水が便器を完全にきれいにしてくれるんです。便器に薄いシートが掛かっていて、水を流すたびにそのシートがめくれて一緒に流されるんです。足元も同じようにシートが貼ってあって、一人が終わるたびに排水溝みたいなところに吸い込まれていくんです」 「トイレの進化は文明の進化と比例しているのかもしれん」 船長も興味深そうに、用を足しに行った。 「素晴らしいトイレです。帰ったらすぐに参考にさせて頂きます」 帰って来た船長が相手に伝えた。 「私どもは一日に何十回とトイレに行かなければならないようになっている身体なんです。だからトイレをきれいにするのにいくらも使っています」 「そういえば、あの細長く空に伸びているものは何ですか?」 船長は空を見上げながら聞いた。
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