宇宙財団

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科学者たちはどう判断していいのか分からなかった。 「間違いありません。何千回も計算しています」 宇宙人は答えた。 「宇宙が終わることをあなた方は知らせにやって来られたのですか?」 「寄付をしていただきたいんです。宇宙を救うために」 「仮に宇宙がなくなるとしたら、もうどうしようもないのではないですか。私たちやあなたたちのような存在が宇宙をどうこう出来るなんて」 「資金があれば可能です」 宇宙人たちは希望の金額を言ってきたが、それはかなりの額だった。 「さすがに出せません。そのお金を毎年払えば、宇宙がなくなる前に私たちの生活は破滅して、近いうちにいなくなってしまいます。どうかお引き取りを」 「仕方ありません。他を当たってみます」 がっかりしながら彼らは宇宙船に乗り込んだ。 地球人たちは見送りながらつぶやいた。
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