忘却のアニバーサリー

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「お、俺だってテメェなんか大嫌いだよこのバーカ!!!!」 大声を上げたのと同時に席から立ち上がり、息を荒げる。 しかし目を開けると気が付けばそこは教室。静かな授業の真っ最中。 周りからはクスクスと小さな笑い、それと共にからかいを含む声。 「京宇紀南(キヨウ キネン)君、授業初日から堂々と居眠りですか」 気が付くと目の前には眼鏡をかけた堅物教師。 ああ、確かこいつは高一の頃の担任だったっけ。 ーーというか、待てよ?授業初日? 「先生、あの、初日って何ですか?」 「はあ????」 状況が読めずに率直に問いかけると周りは更に爆笑、アイツ面白いな~だなんて、ギャラリーの声も聞こえてくる。 窓の外を見ると桜は満開に咲いていて、散ってしまったはずのそれを不思議に思い凝視する。 辺りを見渡せばクラスメイトは少しだけ皆幼い顔付きをしていて、教室だって違う。 「ちょっと?聞いているんですか?」 俺の頭の中は大混乱だった。 確かにさっきまで俺はシアコと一緒にいた、肩に触れていたし、その後払い避けられたあの感覚も覚えている。 それに加えて、もう10年以上は付き合いのある幼なじみとは高校に入ってからも毎回同じクラスだった。 なのにシアコは、何処にもいない。 「....どうなってんだよ....」 「それはこっちのセリフです!!授業が終わるまでそのまま起立していなさい!!」 堅物教師のお咎め声も俺の耳には届きやしない。 そのまま黒板にスラスラと書かれる白い文字をただ呆然と眺めていた。
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