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森の中をアトレアに案内してもらいながら進んでいくと賑やかな街が見えてきた。
そこでアトレアは人型になり私の肩にかけていたバッグを持ってくれた。
アトレアに手を引かれて街の中に入ると人間族やエルフ族、絵本でしかみたことのない天使族など沢山の人が楽しそうに買い物をしていた。
街の中は商店街みたいな感じになっており、ひときわ大きい建物には”ギルド”と呼ばれるものがあった。あれは悪魔を倒す人が集まるとこだよとアトレアが教えてくれた。
そのギルドの近くにアトレアがお勧めというお店があった。
「いらっしゃい!…おや?アトレアかい。よく来たね。」
何が欲しい?と言うおかみさん。
天使族のようで肌は雪と同じくらい白く、水色の目は穏やかな眼差しをしていた。
「あぁ、この子の服を何着か作って欲しいんだ。寝巻きと通常の服、あと稽古の時の服だな。お願いできるか?」
ぺこりとお辞儀をする私におかみさんがくしゃっと頭を撫で、
「あいよっ任せておきな。さ、お嬢ちゃん採寸しようか。」
と笑いかけた。
試着室にて、私はマリンセーラーとマフラーを脱ぎ下着だけになる。
「んじゃ、お嬢ちゃん。名前を聞こうか。ちなみに私の名前はムルジムだよ!」
腕の採寸をしながらおかみさんに聞かれた。
「えっと…アリス…。アリス・ベルフェゴール…」
おや、と軽く驚くおかみさん。
「お嬢ちゃん、あんた魔人族だったのかい。」
こくり、と頷きツノは鎖骨、と言う。
みなさんお分かりであろう。魔人族は黒い翼に黒いツノが目印なのだ。
鎖骨に目をやり、そうかいそうかいと頭を撫でられる。
それから採寸をしながら二人でこの街で美味しい食べ物の話やルムジムさんの近所の新婚夫婦の話をしてもらったりとても楽しかった。
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