第1章 この世界

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わたしのいるこの世界は基本なんでもありな世界だ。 魔法も人殺しもまぁいいのだが、こんな世界でも一つ、ルールがある。 「リギスィー村には近づいてはいけない」 この世界の童話によると、 ”リギスィー村には近づいてはいけない。なぜならばそこは王蛇がいる。王蛇に目をつけられると生きては帰れない。もっとも残虐な殺され方をする” ”王蛇”とは、宇宙より黒い鱗、吸い込まれそうな緑色の目、体長は約1m近くあると云う恐ろしい蛇…のことらしいが。 右肩に目をやり、はぁ…とため息をつく。 その全ての条件に当てはまる蛇がいまわたしの首に巻きついているのだ。 しかもそいつはきょとん、とした顔で口周りにはクリームをつけている。 「リギスィー村の…王蛇…なわけないか。」 ぼそっと呆れたような表情で言うわたしに、目を細め、ちろちろと舌を出すアトリア。 『……なぜお前が俺の村の名前、それに俺の二つ名を知っている?』 ___前言撤回、どうやらこの黒蛇が王蛇らしいです。…嘘でしょ?
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