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入れ、というようなアトリアに反応するようにするするとその白蛇さんは降りてきた。
そしてそのまま、どこにでもありそうな赤い実を食べ、巨大化する。
巨大化、と言ってもそこまでは大きくないが、今の私の二倍くらいだ。
みなさん、忘れているであろうから言っておく。
私はまだ7歳だ。結構ちっちゃいんだ。
私の二倍くらいになった白蛇さんはぐにゅぐにゅと変形し、ぼふっと霧に囲まれた。
困惑してる私を撫でるかのように尻尾で頭をぺしぺしと叩くアトリア。
霧は意外とすぐに解け、後に残ったのは、白髪のおじいちゃんである。
ギリシャの民族衣装のような赤と黒の洋服を着ており、その青色の鋭い目つきはまるで今まで過酷な戦場にいたかのようだった。
そのおじいちゃんを見て、目を細めたアトレアはするすると私の体から離れていく。
そしておじいちゃんみたいに赤い実は食べてはいないが、そのまま周りに白い霧がまとわりついた。
霧が解け、そこには女の人がいた。
もう一回言おう。
女の人がいた。
宇宙より黒い髪を下の方で一つに結び、吸い込まれそうな緑の目。整った顔立ち、薄く笑ったその唇にはなんとも言えない妖艶さがあった。
おじいちゃんと同じく、赤と黒の服を着ていたが、翡翠の首飾りをつけていた。
アトレアが女の人、それ以前に驚いたのは……あれだ…
「…アトレア…胸おっきい…」
口からこぼれてしまった本心に驚いたように目を開く二人。
そのあと、こちらに寄り、ぽんぽんと頭を撫で柔らかな目つきをして苦笑いをし「そこには触れないでくれ」と言うアトレアに正直惚れそうになった。
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