1997

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穣くんとのことは、杏子には、話さないでおいた。ジローさんに、伝わるのを避けたいから。。。 ランチの頃、隆士さんとジローさんがやって来た。 「おーっ!」 隆士さんが手をあげる。 「久しぶり!」 その後ろから、ジローさん。 小さく手をあげる。 隣に並ぼうとするジローさんから微妙な距離をとって歩いた。 夕飯を揃ってとった。 「アメリカ?」 そう、パスポートは、イミグレーションのスタンプでペタペタ! とか、頻繁に出掛けてた話に驚いてた。 夕方には杏子たちは実家に戻っていく。 ジローさんと舞浜駅に残された。 「アメリカ野郎、どうした?」 なに、それ。 大笑いした。 けけけっ。 肩を引き寄せられた。 耳にキスしながら言う。 それ、止めようよ。 「このまま、尾道、きんさい」 なんで? 行かない。 「待てない。」 だーめ。 東京まで、送ってあげるから。 「宿はあるから。」 え? 「話ししよ」 話なら、このままで、できるじゃん。 話すこと? あー、わたしね、来年、フランス、行くの。 「なんで?」 仕事。 新しく立ち上げる部門の。 「おりょう、いつも、そうじゃのー」 「わしが、おりょうを欲しいと思うときに限って遠くへ行こうとするんじゃね。。」 言い終わるかどうかって時に抱き締める。。
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