1998

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1998夏 アメリカ留学後、穣くんは、もとの職場のチーフに昇進していた。 学会のお手伝いに行って、杏子たちに会ったら、根掘り葉掘りされる、ね? 「大丈夫。営業トークは得意だから。」 「それより、元カレさんに、会えるかな?」 「会わせてもらおうかな。」 何を言うの? 「かぁちゃんが、気にしてた。」 「喧嘩したのかって。」 「遊びに来て欲しいみたいだよ。」 ありがと。 大好きだよ、お母さん。 「かぁちゃんには、会いに行って。。。」 「難しいか。。。」 だね。 穣くんからフランス行くときには、手続き手伝いたいって言われた。 二回留学してるプロってことで、専任の執事の仕事、と、して。 予防接種は? 預貯金は? 学生ビザは? 住まいは? 保険は? とか、 窓口の会社との相談とかにも付き合ってくれた。 とても、スムーズに進んだ 事前の語学研修は1ヶ月あるけど。実際の留学は1ヶ月間だけ、てのを知ってるのは穣くんだけ。 杏子たちには、一年半って言った。 「いいの?サバ読んで。」 いいのよ。 「あのさ、執事の仕事のお駄賃にさ、俺用の、俺だけの香水とか創ってくれない?」 いーよ。 何年かかるか、わかんないけど。 「ホントに!?」 「やった!!」
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