1996

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「あ!ジロー。おりょう。」 「ありがとね。見に来てくれて。」 信さんが着替えて、出てきた。 「とりあえず、おりょう、一杯だけっ!」 ん? ふたりで企んでる? 駅前の立ち飲み屋で乾杯をした。 「ホントに一杯だけじゃね。」 信さんは笑う。 「おりょうが、意固地なのは変わらんのぉ。」 は? お疲れ様! じゃ、ね! 信さん、頑張ってね! 「駅まで送ろう」 ジローさんは、着いてくる。 すぐそこだし、信さんと飲んでれば? 聞く耳は、ないみたいだ。 後ろを着いてくる。 それ、不審者みたいだよ。 「まぁ、ええぇ。」 隣に並ぶ。 「わしゃ、待つのは平気じゃけぇ。あの50の約束はありじゃろう。」 携帯の連絡先のメモをくれた。 「おりょう、フリーに戻ったら、必ず知らせぇ。ええぇの。」 うなじにキスをしながら、ジローさんは、も一度抱き締めた。 「ん?返事は?」 返事せずに、わたしは、改札を通った。 50の約束か。。。 新宿で乗り換えながら、そりゃないだろう、思った。。 でも、ジローさんの程よい強引さは相変わらずだ ※※※※※※※※※※
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