1996

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「諒子さんって、そうやって、何でもひとりで決めて、ひとりで生きていくの?」 ん? 「俺を見ていてくれるって、思ってると、諒子さん、時々違うとこ見てるよね。」 「いつも、俺を見ていてほしいんだけどさ、、」 「頼られてないのかなって、頼りがいがないのかなって、、、」 「自由に生きていくの?」 「俺との未来って、その中にあるの?」 そんなこと、ないよ。 甘えるの下手なわたしには、あれこれ、頼るというか、頼みごとをするのが、苦手なだけ。いいのかなって、頼んだりすると手を煩わせるし。。 決して、ひとりが好きなわけではないんだけどな。たぶん、単純に不器用なだけだよ。 「俺の器が、小さいのかな。。」 「俺の深読み???」 そんなこと、ないよ。 「なんか、女々しいね。」 なんで、こうなるのか、、 見つめあっているだけでは、前に進めないように思えて。転んじゃうでしょ? 何処まで行っても、何をしても、ふたりはひとつにはなれないのだから。 手を繋いで同じ方向を見て、歩いていけると良いのだけど。 「なんか、俺と違うのかな?」 「ターザンみたいに、小脇に抱えて、ひょいと、困難を乗り越えたいのな。。」 「だから、いつも、優しくて、タフでいたいし。」 それは、それで、楽そうだ。。 わたしのイメージだと、、、お互いにハーネスをつけた状態で困難を越えるのかか、、手が使えるように。。 どちらかがバテたら、もうひとりが背負わないと進めないけど。。 こんなに一緒にいても、思うことは、違うんだね。楽しくて嬉しくてしかたないときには、違いに気づかなかった。
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