1996

6/7
前へ
/18ページ
次へ
「あのさ、、」 「それ、誰かの影響?」 「諒子さんさ、俺の向こうに、誰かの影を見てるよね?」 なんで? 黙りこんでしまった。。 誰かに、何かしら言われたの? 「ずっと、気になってたんだ。。」 「・・・・」 ん? 「ほら、今の表情。。」 「どっか、気持ちが、ここに、ないんだ。。」 え? わかんないよ。。 「俺さ、前の彼と、似てるの?」 え? 何? いま? 「ずっと、ここに、つかえてたんだ。」 「俺さ、二股された話してたじゃん。」 「あの時、諒子さんから、元彼の話してくれるかと、思っていたんだよ。」 「でも、一度も話さないじゃん。」 「なんで?」 なんで? そこが、問題なの? それは、お互いへの思いやりだし、最低限のルールでしょ? 「何を聞いても、構わないし。大丈夫だと言っても?」 「知りたいんだよ。。」 「似てるの??」 さぁ。。。 もし、聞けば、、、穣くんには、また、新しい違う疑惑が生まれるよ。 そうじゃない? だから、わたしは聞かない。 聞かされた全てが総てだと思えなくて、、勝手に深読みして、不安になって、不信感に悩まされるから。 もう、自分の見たもの感じたものだけで、充分だよ。 「なんで?」 決めた。 ジローさんのことは話さない、って、思った。 天の邪鬼だからね。。。 穣くんには、悪いが、その話は、一生、話さないよ。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加