コーヒーの魔力

4/28
60人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
まさに教室の引き戸を開け放とうとした時、後ろからポン、と肩を叩かれた。 振り向くと、すぐ後ろに立っていたのは先生だった。 ついさっきまで教室に怒鳴り込もうとしていたのに、突然の先生の登場で感情が混乱してしまった。 ハッと我にかえって、中途半端に上げたままの手を降ろす。 先生は口元に人差し指を寄せ、私を手招きして歩き出した。 つられて私も歩き出す。 ー先生は、さっきの美香たちの話を聞いていたのだろうか。 若干後ろ髪を引かれる思いはあったが、何も言わずに、先生に従うことにした。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!