コーヒーの魔力

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「うわ、もっさもさ。」 ぐしゃぐしゃになった私の頭を見て、先生はけらけらと笑った。 目尻にすっとしわが入る。 「笑いごとじゃないです。」 本当は嬉しいけど、一応ふて腐れた顔をしてみる。 すると先生は、ごめんごめん、と言いながら私の髪をすきはじめた。 ーやばい、これは。 先生の指が私の髪を通るたびに、気持ち良くてふわふわした気分になる。 耳が熱を持ち始めるのがわかる。 ーひょっとして今、結構先生との距離が縮まっているのではないだろうか。 先生がどんな顔をしているのか気になって上目遣いで確認すると、びっくりするほど優しい表情をした先生が目に飛び込んできて赤面しそうになった。 気恥ずかしくなって机の上に視線を移すと、見覚えのあるキャラクターが目にとまった。
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