コーヒーの魔力

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「そろそろあいつらも帰ったやろ。お前もそろそろ帰るか。」 またしてもボサボサになった頭を今度は自分で直していると、先生が言った。 時計を見ると、短針が丁度6を指していた。 先生と話していると、どうも時間が経つのが早過ぎる。 「避難させてくれてありがとうございました。先生 がいなかったら私、怒鳴り込んでました。」 先生はぐしゃりと笑って、 「やっぱりか。よかった、止めといて。」 と言った。 先生の笑顔を見ると帰りたくない気持ちがムクムク膨らんできたが、その気持ちに蓋をするように、残りのコーヒーを飲み干した。 「また、話したくなったら声かけや。 辛いこととかあったら、俺とか、林とかに言うんやで。」 先生が初めて少し心配そうな顔をした。 ーあ、今、哀れまれてる気がする… 胸がチクリと痛んだ。 「大丈夫ですよ!私こう見えて、なかなか強いですから。」 先生を安心させようと言った言葉がなぜか虚しく感じた。 それでも先生は心配そうな顔をやめて、微笑んでくれた。
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