28人が本棚に入れています
本棚に追加
が、22歳の若造に対して、仕事の心構えをきっちり教えておくのも年長者の務めだと思い直し、だが当たり前すぎることをわざわざ言ったのも大人げなかたったような気もして、複雑な気分になった。
今ごろ三条はエステに同行しているのだろうか……。
顔や体にペースト状のなにかを塗られている絵を想像した。今ひとつイメージが貧困だった。
腕時計を見る。交代の時間まであと数時間、三条はなにを見てくるだろう?
ともかく、ここ数日はこの依頼につきっきりなのだ、しっかり準備をしてボディガードを務めよう。
三条からメールが来た。
午後からエステ、そのあとはデートの予定だそうである。
「忙しい女だな……」
先野はつぶやいた。
この女はなんの仕事をしているのだろう?
最初のコメントを投稿しよう!