4. 現れるか、ストーカー

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 働いているという、疲れた雰囲気はまったくない。無職?  だが、あきらかに平均以上の生活をしている──。  つまり、男に貢がせてばかりの、いわゆる職業・愛人というやつか。  しかし、と先野は思う。ずっと愛人関係が続くわけではないだろう。いつかは羽振りのいい男との別れがくる。それとも、男は1人だけではないのか──。  ありそうなことだと先野は想像した。何人もの男をたぶらかせ、気づかれないよう立ち回り、あわれな男は貢がされ続け、骨までしゃぶつくされる。  魔性の女だな──。  男を惹きつけてやまない魅力が、蒼宮麗亜にはあるのだ。  たしかに目立つオーラは先野も感じた。  ストーカーがいる、というのも、気のせいではないかもしれない。
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